まずは、東京都や茨城県が、どれぐらいの量の放射性物質に汚染されたのか把握しておきたいと思います。
もうだいぶ古い話題になってしまいましたが、一部のメディアで、「大気中核実験が盛んに行われた60年代は、最近の値と比較して1万倍ぐらいの放射能にさらされていた」という記事が出回っていました。事故後に東京で観測されている放射線量は、自然放射線量に比べて、それほど多くないので大丈夫だと説明したものが多いようです。
疑問に思って原典を調べてみると、この1万倍だった放射能は、「降下物に含まれる放射性物質の量」であり、決して、「空間放射線量」や、「土壌の放射能」ではありません。混同して書いている記事が多いようなので、間違わないようにして下さい。
さて、確かに、過去の大気中核実験や、チェルノブイリ事故により、日本にも放射性物質が降り注ぎました。それはどれぐらいの量で、今回の福島原発事故と比べて、どれぐらいのレベルだったのでしょうか? 文部科学省が公表しているデータから計算して、セシウム137の降下量をグラフにまとめてみました。
2008年までのデータは、環境放射線データベース から、20011/3/20-24の4日間データは、文部科学省の定時降下物のモニタリングから取得しました。あちこちのモニタリングデータを見ると、関東地方に関しては、大部分の放射性物質はこの4日間に降下していますので、これで全量に近いと言えます。
最も降下量が多かった60年代初頭と比べても、今回の事故は1桁ぐらい大きな数値が出ていますから、極めて甚大な汚染であることが分かります。比較すると、チェルノブイリの事故の影響は、日本ではそれ程大きくなかったんですね。
もう少し、数値の比較をしてみましょう。
1957年-1985年の合計 5,375ベクレル/m^2
1986年(チェルノブイリ事故の年) 135ベクレル/m^2
1986年-2008年の合計 6ベクレル/m^2
2011/3/20-24 新宿 6,360ベクレル/m^2
2011/3/20-24 ひたちなか市 25,483ベクレル/m^2
新宿の場合、過去50年の放射性物質降下量よりも多い量が、わずか数日の間に降っているのです。ひたちなか市に至っては、東京の約4倍にもなります。今、関東圏に住んでいる人は、日本人がまだ経験したことのない程の量の放射性物質に囲まれて生活しているのです。
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