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健康被害は出るのだろうか

福島原発事故で、東京にも多量の放射性物質が降ったことは分かりましたが、これは人間の健康にどれぐらいの影響を及ぼす量なのでしょうか? いくつかの文献を当たって、調べてみました。

1、日本の死産率より

真っ先に健康被害が出るのが、放射線に敏感な胎児や乳幼児だと言われています。これについては、日本の死産率の統計を出して、警告を出している人がいます。しかし、解釈を巡っては賛否両論あり、今のところ断定できるほど明確な主張ではありません。以下のサイトに詳しくまとめられていますので、ご覧ください。

意外な展開:自然死産率の生データを見てみた

2、アメリカの乳児死亡率より

もう少し判断材料を増やすため、外国のデータも見てみましょう。アメリカは国内にも核実験場がありますので、日本より影響は大きかったと思われます。Wikipediaに出ていた、乳児死亡率(1000人あたり)は以下のようになっていました。

Pic_20110426b

  (Infant:1才以下 Neonatal:28日以下 Postneonatal:28日~11ヶ月)

確かに、60年代前後に、若干の山があるようにも見えます。しかし、放射線の影響がなかった場合、どれぐらいの死亡率になったのかは分かりませんし、放射線以外の原因も考えられます。多目に見積った場合だと、1000人あたり10人ぐらいは増加しているとも見えますが、古い統計データですので、断定する根拠としては弱そうです。

3、チェルノブイリ事故後の北欧の新生児死亡率

では、1986年のチェルノブイリ原発事故から学んでみることにしましょう。最初にチェルノブイリからの放射性物質が報告されたのは、1000キロも離れたスウェーデンでした。その後、欧州全域がチェルノブイリからの放射能で汚染を受けました。欧州の汚染マップを見ると、北欧の土壌汚染は、東京や茨城に降った放射性物質の量と、だいたい同じぐらいのレベルだと見ることができます。では、北欧各国の新生児死亡率はどうなっているでしょうか?

Pic_20110426c

1986年は増えているよりもむしろ減っており、その後も低下傾向にあります。これを見る限りは、チェルノブイリの影響はなさそうです。

4、スウェーデンの相対ガン発生率

京都大学原子炉実験所の今中哲司氏が「チェルノブイリ原発事故の「死者の数」と想像力」の中で紹介しているマーチン・トンデル氏の文献では、土壌の汚染とガン発生率に相関があると主張しています。
東京の土壌汚染が5kBq/m^2程度とし、比例するならば相対ガン発生率は1%ぐらいの上昇になると見込まれます。半分はガンになると言われる現代、1000万人都市であれば、5万人が福島原発の影響でガンになるかもしれません。この調査は、1988年から1996年までのデータなので、その後さらに増えている可能性もあります。

5、チェルノブイリ原発事故によるその後の事故影響

上と同じく、京都大学原子炉実験所の今中哲司氏が執筆されているチェルノブイリ原発事故によるその後の事故影響(1997年発行)です。これを見ると、仮にチェルノブイリの1/10の規模であったとしても、相当な健康被害が出ることになります。汚染レベルの比較が知りたいところです。

いろいろ調べてみましたが、残念ながら断定的なことは言えないという印象です。今後、数年から数十年、日本での調査を続ければ、はっきりした結果が出てくるでしょう。今のレベルが危険なのかどうかは、自分自身で判断するしかありません。

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